症例研究
変つた経験の一例,他
保田 みな子
1
1国立横須賀病院
pp.57-60,62-70
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912498
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患者は19才の未婚の女子。本来健康で重い病気に罹つた事はなく,家族にも何も変つたことはなかつたのですが,昭和19年2月体操で跳箱練習中背中を打ちましたが,その翌日又鉄棒をやつている際に腹部を強打したことがあります。その後急に発熱し,腹痛と背部痛を(脊椎部)訴える樣になりましたが,この訴えが5年程続き,種々の病院に入院しても結局何かわからず詐病の樣な樣子で退院した例であります。
同年2月24日某医に受診して,腹膜炎と肋膜炎であるといわれて,約7カ月治療をうけましたが,依然と發熱は毎日38度5分から39度まであり腹痛背部痛が続いたそうです。それでもかなりよくなつて10月からぶらぶらしていたわけですが,10月23日に妹を背負つてから又腹痛が高度となつて発熱し,腹膜炎と肺門部に浸潤があるといわれて自宅療法を始めました。その後は発熱は毎日ではなかつたのですが,時々高熱になり腹痛は毎日続いていたそうです。
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