特集 ナースと社会的評価
みてきたオーストラリア,ニュージーランドのナース
岩佐 淳子
1
1厚生省保険局医療課
pp.28-31
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912461
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去る3月より8月まで約5か月にわたって,W.H.O.フェローとして,オーストラリア,ニュージーランドをみる機会を得たのでここでは両国におけるナースの社会的地位という観点からその現状を述べてみたい。
女性の職業としてみたナース
女性の職業への進出はあらゆる方面にわたっており,メルボルン,シドニー,ニュージーランドのヴィクトリアの各大学においても女子学生が大勢学んでいたし,医学部においても女子医学生がかなりみうけられた。女性の職業として自分の能力を伸ばしていく上で大半を占めるのは,何といってもやはり,教師とナースである。殊にニュージーランドにおいては,国としての産業が余りないため,社会保障の下で医療には国の責任というか関心は大きく,従ってその中では,多くのナースがよい待遇をうけて元気に働いている。古い歴史のある大病院付属の看護学校では,若い女性が多くナースを希望するので,応募者のための受付簿にぎっしり名前がかかれている。年に4回,1回に4,50名採用し,一定の訓練期間の後看護学生となるのだが,1,2年のうちに約半数に近いものが結婚や転職のためにやめていくので結果的には不足をきたしている。
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