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オーストラリアとニュージーランドにおける1918年のスペイン風邪の記憶がCOVID-19への対応にどのように役立ったかに関する論文の要約
伊藤 雄志
1
1元ウェリントン・ヴィクトリア大学日本語学科
pp.198-200
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209797
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著者紹介
論文の著者Geoffrey Rice氏(1946年生まれ)は、ニュージーランドのカンタベリー大学歴史学名誉教授である。Rice教授は、「スペイン風邪」と呼ばれた1918〜19年のインフルエンザパンデミックでのニュージーランドの個々の死者の記録を調査した歴史研究で知られている。彼の著書『Black November』1)(黒い11月)は、1918年のインフルエンザパンデミックに関する最初の国レベルの研究で、ニュージーランド保健省が現在のインフルエンザパンデミック計画を作成するのに使われた。2019年12月に中国武漢で最初にCOVID-19が検出される直前の11月に、Rice教授はニュージーランドのJacinda Ardern首相と並んで、ウェリントン市内の公園で「1918年インフルエンザパンデミック記念碑」の除幕を行った。2021年の新年の叙勲で、Rice教授は歴史研究と高等教育への貢献によってエリザベス2世女王からニュージーランド功労勲章の役員に任命された。その直前の2020年11月にケンブリッジ大学出版局の『Global History』誌に掲載された彼の論文2)が、ここで紹介するオーストラリアとニュージーランドでのスペイン風邪の記憶とCOVID-19対策に関する研究である。
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