特集 ナースと社会的評価
ナースをみる社会の目
西 清子
1
1読売新聞
pp.14-17
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912458
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世界的なナース不足
ちかごろ,看護婦さんがたいへんに不足しているという。どうやら,なりてが少ないということらしいのだが,これは大問題だとおもう。私個人についていっても,いまは健康で元気だけれどもいつ,大病をして入院をし,看護婦さんの厄介にならないとはかぎらない。こんな交通地獄の世の中では,また,いつ大けがをするかも知れない。そんなとき,お医者さんはもちろんのことだが,何といっても,だいいちのたよりが看護婦さんである。それなのに,病気をしても,けがをしてもその何よりのたよりの看護婦さんの数が少なくって,ということになると,オチオチと療養どころではないだろう。それに看護婦さん自身も,そう数が少なくては,一人一人の負担が大きくて,仕事の責任を十分に果たすことができたないろうし,からだの方も大変である。
それにしても,どうして看護婦さんの数が,欲しいだけ集らないのだろうか。これは何も看護婦さんだけでなく,いまは,どこの職場も,とくに年齢の若い人は欲しいだけ集らないというのが実情だから,ここだけの問題ではないかも知れないけれども,いま一つ,看護婦不足という現象は,やや世界的な共通の問題となりつつあることに,やはり何か考えさせられることがあるようにおもわれる。
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