特集 ナースと賃金
<ショート・ルポ>賃金をどう考えるか
いぬい
pp.9
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912135
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賃金ということを考える場合の,ナースのいちばんの悩みは,現状の低賃金・重労働をはねのける活動をするために,患者に迷惑がかかってしまう,ということだ。しかし,ナースの悪待遇のため,看護要員の不足はいちじるしく,このまま放置すれば,近い将来,とり返しのつかない事態をむかえなければならないことは明白だ。そんな意味で,いまは一種の危機をむかえている,と言える。では,いったい,医療労働者の中でナースは,どんな立場に立っているのだろうか。
「病院の中には30数種の職種があるが,その中で,ナースの占める役割は非常に大きい。病院全体の支出の2割はナースの人件費です。したがって,医療労働者の賃金の基準はナースにかかっている,といっても過言ではありません」日本医療労働者協議会(東京都新宿区四谷4丁目10の3)の宇和島邁氏は,医療従事者の中のナースの位置をこう強調する。
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