特集 夜勤の現状
ルポ 夜勤残酷物語—私たちは天使じゃない
いぬい なりお
pp.14-17
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912081
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■デイトするヒマもないチョンガー・ナース
「きょうも,彼から会いたいって電話してきたんですけどね,私ことわったの。約束があるからって。だって,勤務が終わって,宿舎に帰るとフラフラで,とても外出する気力なんて残ってないんですよ」
山本洋子さん(24)は東北の高等看護学院を卒業して東京に出て来てから病院勤務3年目になる。去年の夏,海で知り合った青年と,目下親しく交際しているが,このごろでは,三度に一度はことわることにしている。はじめのうちは,彼に会うのが楽しみで,少しぐらい疲れていても喜々として出かけていったものだが,そのうちに,だんだんそれが負担になってきたのだ。
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