Medical Topics 医学の話題
研究費,他
Y
pp.82-83
発行日 1963年1月1日
Published Date 1963/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911837
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ある研究にどのくらい費用がかかるかという問題は,その性質や規模で相当ひらきもあり,議論の多いところであるが,日本の基礎医学の研究者の間では,満足しているとか十分であるという声を聞くことはむずかしい。しかも,研究に従事している人びとの生活の保証も十分というものからほど遠い。若い研究者の中には,大学のような機関に,逆に研究費とか授業料といつた名目で費用をおさめている人も少なくない。そしてこういう人びとの多くが,一時的な腰かけではなく,一生を地味な研究に打ち込もうと考えているのであるから,世間からはちょっと頭が変ではないかと思われてもしかたがない。
公表されている数字によると,基礎医学の大学院の定員には空席が多い。有望な人的資源の開発には,それだけではないが,私的,公的生活の経済的な保証が極めて重要な役割を果たしていることは見のがせない。
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