特集 夏の看護
赤ちやんの汗と清拭
三浦 規
1
1日赤中央病院
pp.17-19
発行日 1962年7月15日
Published Date 1962/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911674
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I.赤ちやんの汗について
汗はもちろん夏だけのものでない事は知っていても,汗=夏と考えられがちなのはどうしてだろうか。それは夏は発汗性が亢進していて,四季のうちで最も汗の量が多いためと思われる。発汗性といえば,小児は成人より高いのが普通であるしまた眠っているときは発汗中枢の興奮を抑制する働らきが取れ,ますます発汗性が高くなり,汗びっしょりの状態になる。しかし,これを成人の盗汗と同一視して心配する必要はなく,正常な生理と考えてまちがいない。発熱という場合はまた,当然異った状態であるのはもちろんである。
乳幼児の汗の量は,単位表面積当り成人の2倍といわれているし,汗疹に結びつけてその成分について考えてみると,汗は尿の極めてうすいものと思えばよく,ごく少量だが,尿素,食塩等が含まれている。
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