臨床検査とその介助
循環器の検査
渡辺 孝
1
1国立東京第一病院
pp.48-55
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911430
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はじめに
循環器系は心臓を原動力として血管系とリンパ系の2系統から成り立つている。このうち本稿で対象とするのは血液の循環で,これは心臓を中心として小循環と大循環に分けられる(第1図)。
小循環とは右心室→肺動脈→肺組織→肺静脈→左心房に至る経路であり,大循環とは左心室→大動脈→動脈→器官および体組織→静脈→大静脈→右心房に至る経路である。このなかで特に臨床的に重要な経路として冠循環,肝循環,脳循環,腎循環などが含まれている。また胎生期の血液循環は肺循環がなくて胎盤循環がこれに代わる。
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