時の動き
△コンゴ紛争と国連総会,他
pp.64-65
発行日 1960年12月15日
Published Date 1960/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911223
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国際問題の話には,よく「発火点」という言葉が使われます。「火がつきやすい場所」という意味でしよう。いま「発火点」を捜すと,コンゴ,キューバ,ラオス等々で,どちらかというと世界の裏口に属する場所です。放火魔は大体裏口や台所に火をつけるものですが,国際問題の火も,あまり玄関口では発火しないもののようです。
コンゴ紛争(前号参照)はますますひろがつてしまいました。それはついに米ソの対立となつて,雪どけが再び凍りついてしまつた感じです。もつとも,この対立はコンゴそのものを中心とするというより,コンゴを利用して対立を深めているという感がなきにしてもあらずです。仲の悪い夫婦が,晩のおかずのことで大ゲンカを始めたようなもので,もはやおかずをよくしても,にらみ合いはおさまりそうにありません。
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