保険の話
性病と保険診療
N
pp.34
発行日 1958年3月15日
Published Date 1958/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910556
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梅毒,淋病,軟性下疳,鼠蹊淋巴肉芽腫症の4病を性病と総称するが,最近は有効な薬剤がぞくぞく出現し治療も容易になつたので性病患者の数は急速に減少して来た。古く行われたサルバルサンの注射療法等複雑な手技を要し,何カ月も継続せねばならず且つ副作用も多かつた梅毒の治療も,マフアルゾール蒼鉛療法の時代をへて,現在の治療剤の主力はペニシリン類に移つている。それと同時にクールに要する治療日数も早期梅毒なら10日内外ですむようになつた。
この様な性病治療の進歩にともない昭和23年には性病治療指針が定められ,昨年1月改訂せられて現在に及んでいる。この指針は保険患者の治療に際して保険医に指針を与えるのみでなく,性病予防法にもとづき性病病院等で行う性病の治療の標準ともなるものである。以下指針の主要点を概説する。
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