講座
かぜ—特にその病原問題をめぐつて
橘田 晃
1
1東大伝染病研究所附属病院
pp.41-47
発行日 1957年1月15日
Published Date 1957/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910267
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“かぜ”は人類の疾患の内最もありふれたもので,老若男女富貴貧賤を問わずあらゆる人が1年に平均2〜4回は罹患するといわれており,日常生活と切つても切れぬ宿命的な関係がある。従つて“かぜ”については誰れもが過去の幾度かの罹患の経験から一応どのようなものかという概念をもち“かぜをひいた”とか“かぜに罹つた”とかいう言葉が日常の会話にもよく用いられている。
歴史的にみても“かぜ”が一つの疾患として認められたのは非常に古く,既にピポクラテス(B.C.450)の時代にも記載されている。
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