口絵
脳波検査室を見る
pp.1-4
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910137
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脳波検査という言葉は,臨床でよく聞く言葉ですが,一体何のことでしようか?それは,頭のレントゲン写真や,脊髄液検査と同じように,脳の異状をつかむ方法です。
眼を閉ぢて安静にしている人の頭皮上に絶縁線のついた小さな銀板をのせてこれを増巾器に導き,記録すると100マイクロボルト(マイクロボルトは1ボルトの100万分の1)前後のきわめて小さい電圧で,1秒間に約10回振動する規則正しい波がみられます。これが脳波で,この波をはじめて発見したのはドイツの精神医学者であるベルガーという人です。その後30年あまりたつたこんにちでは,多くの学者の研究や,記録装置の驚くべき発達によつて,脳波は,臨床診断や,大脳の活動を知る上に,なくてはならぬ武器になつています。とくに,テンカン,脳腫瘍などの脳の器質的疾患,症候性精神病などが疑わしい場合よく脳波が検査されます。
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