読者文芸欄
短歌,他
谷 鼎
pp.70-72
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910044
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○ 都下 吉田 伸子亡きあとの化粧のことも言ひおきて息ひきし瞼かるく閉ぢやる
白々と繃帯の顏仰向かす君らの夜を虫は鳴きつぐ風化せし悲惨は常のごとくあり死に近き手の青き静脈便り来ぬ日々になれてはこの少女も癩癒ゆる日を問はずなりたり腐臭しるき脚ねむごろに被ひやる命悲しく慰めがたし
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