読者文芸欄
短歌,他
谷 鼎
pp.61-63
発行日 1955年8月15日
Published Date 1955/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909899
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ガーベラの赤き花瓣のほのゆるる枕辺近く注射うちをり
この胸にすぎし日の痛みせまりきてアイロンの手を早くうごかす
〔評〕総じて短歌としての把握の仕方は,コツを心得ているといえるが,やや安易に流す点がある。前歌の三句は,言い過ぎ,つまり,幾分虚飾を感じさせる点がありはしまいか。後歌の下句は適確に言い据えてあつてよい。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.