講座 ナースと健康
ナースと生活—精神衞生の面から
山高 しげり
pp.9-12
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909844
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わたしが小学校にはいつたのは明治38年ですが,入学後間もなく先生から「大きくなつたら何になりたいか」ときかれました。そこですぐ「芸者」と答えますと,早速「なぜ」と聞き返され,だつてきれいな着物がきられるからといつたものです。これが1年経って2年生の時,また同じようなことを聞かれましたが,今度はなんと「看護婦」と答えたものです。日露戦争のあとで一般に看護婦熱はたかまつており「火銃のひびき遠ざかり……」というかの婦人従軍歌がはやつてはいましたが,どうも一年生の答が正直なのに比べると,2年生にもなれば相当に先生の思惑も加つたらしく,ウソがまじつているという訳です。
さてそれからは半世紀もすぎた昨今のナースの生活について,どうも私など一言半句もかたる資格はなさそうなのですけれども,まつたく,とんだ白羽の矢の想いです。
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