発行日 1950年6月15日
Published Date 1950/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906657
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.シューブということ
肺のどこかに結核病巣がある。もちろん生體内のことを目で見るにはレントゲン以外にはないのであるから,拇指頭大の圓い影が、或は空洞を思わせる影が,又は纎維状の影が見えているとする。しかも2月3月と少しも變らない。いや數年に沍つて同じような樣子の時もある。そうした後の或時,肺内の全く,他のところにポカリと新らしい結核病巣の陰影が表われてくる。こういうことが起つてきた時に,シューブが起つたと申します。シューブは肺の中で結核が進行する,このようなしかたをいうのであり,又こういうようにして結核は肺の中を次々に浸してゆくのであります。シューブというドイツ語は推進とか躍進とか譯されますが,どうも適當な譯語ではないのでドイツ語のまゝ使われています。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.