連載 スウェーデン発トナカイ通信・1【新連載】
タルバッケンのクリスマス
田中 光三
1
1タルバッケン老人慢性疾患病院
pp.164-167
発行日 1991年2月1日
Published Date 1991/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904115
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スウェーデンの南部,自然が美しいスモーランド地方に,カルマルと呼ばれる県があり,その最南端に,私の住むエンマボーダという,人口およそ1万人の小さな街があります.白樺や松などの針葉樹の林に囲まれてしっとりと落ち着いた街です.その一角の,閑静な住宅街にタルバッケン(“松林の丘の家”の意味)という老人看護病院があります.今回は,私が勤務するこのタルバッケンを紹介します.
平屋建てのこの施設は1968年の春に創設され,県によって運営されています.現在は全72床で,4人部屋が5つに2人部屋が17室,個室が18.そのうち14床は痴呆性老人に,また個室のうち3室はchanging care(交替ケア,後述)の患者に割り当てられており,残りは慢性疾患の患者さんに使用されています.
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