連載 カズのカンボジア日記・19
言葉より身体?
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.298-299
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903931
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●お兄ちゃんの試練
先日,我が家のネコ(名前は“お兄ちゃん”)が去勢手術を受けました.カンボジアでは動物がペット化されていないということもあって,獣医の存在が見えません.お年頃の男の子を抱えた私はどうしようかと困っていました.雄ネコが縄張り確保のために撒くおしっこはクサーイ.そして拭いても取れないのです.そんな私に朗報.オーストラリア人の獣医がこの町へやってくる!このチャンスを逃すわけにはいきません.さっそく知り合いを通じてなんとか手術の時間を作ってもらいました.私の友人・エマもティーンエイジャーのシングルマザーネコちゃんを抱え困っていたので,同じ日に彼女の家で出張手術となりました.
当日はお兄ちゃんをリュックへ入れてエマの家へ.“???どこへ行くんだ???”という表情のお兄ちゃんでしたが,到着後すぐに麻酔を打たれウトウト.そして,麻酔が効果を出すまでの数分間で,エマの家は手術室へと変身です.まず食卓にビニールシートを敷いて手術台が完成.スタンドランプで無影燈(もちろん影はできますが).基本的に必要な医療器具と薬品は獣医さんが持参してきたので,それらを手術台の脇にセッティングして準備完了.あっ,検体を入れる嚢盆がない!エマは台所へ走り,食事用のお皿を持ってきました.これでOK!
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