連載 考える
日常看護のブラッシュアップ 患者中心の看護をめざして・5
ほんっとにつらいんです,口内炎—化学療法と口腔ケア
高橋 裕子
1
,
久保木 和江
1
,
石井 美代子
1
,
本宮 良枝
2
,
飯倉 正彦
2
,
礒部 満子
2
1千葉県立佐原病院外科病棟
2千葉県立佐原病院
pp.754-759
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903531
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はじめに
当外科病棟では,悪性腫瘍患者に対し,外科的治療だけでなく手術後における化学療法の併用,手術適応のない患者に対しての化学療法,放射線療法と化学療法の併用など治療が多様化しています.抗癌剤による副作用は,骨髄抑制と口内炎,悪心,嘔吐,下痢等の消化器毒性が知られていますが,今回は口内炎に焦点を当ててみました.口内炎は疼痛や嚥下痛による摂食困難や味覚障害など日常生活に密接した自覚的苦痛を伴うため,患者にとってはきわめて不快な副作用として感じられるものです.
これまで,副作用に対して対症療法が行なわれてきましたが,今回は,口内炎発症を予防することが大事であると考え,マニュアルを作成しました.化学療法の副作用に限らず,口腔内の健康管理は全身の健康につながることであり,口腔ケアの重要性を感じました.
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