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図解—知っておきたい病態生理・1(新連載)
糖代謝異常:糖尿病(1)
西崎 統
1
1聖路加国際病院内科
pp.74-78
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903385
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最近,クリティカル・シンキングという言葉をよく耳にします.簡単にいえば,常にクリティカル(批判的)に状況をとらえ,先入観にとらわれずに状況判断していく—ということでしょうか.確かに臨床の場面では,教科書で教わったような典型的なケースはほとんどなく,事例に応じてさまざまな条件が加わっています.こうしたとき,もっとも判断のベースになるのが病態生理に関する知識です.学生のとき,もっと勉強しておけばよかったと思う科目は何ですか—と看護婦さんに聞くと,ほとんどの人が解剖学と生理学と答えます.この連載では,もう一度,体内の恒常性維持機構を復習しながら,その歪みの現れである病気の背後にある病態生理について理解を深めたいと思います.表現は極力やさしく,そのまま患者さんの指導にも役立つよう心がけたいと思います.まず,第1回目は,臨床でもっとも遭遇する機会の多い,糖代謝異常—つまり糖尿病をとりあげてみましょう.
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