連載 白い恋人たちへの応援歌[私の病院探訪記]・12(最終回)
在宅ケアにみる看護の未来—見る眼を変えてくれたナースたち
向井 承子
pp.1152-1155
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900769
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癒す心を学んだ取材
「白い恋人たちへの応援歌」の連載も今回が最後となった.これまでは足を踏み入れたこともなかったさまざまな病棟で,看護婦さんたちの働く姿に接することができた.
改めて,看護婦さんの仕事とは,人を「癒す」ことなのだなあ,と実感している.その実感は,日ごろ接する現代の医療のありようと深くかかわっている.いま,医療は病む人に丸ごとかかわってはくれない.データを眺めるだけで,脈もとらずからだにも触れない診察室の光景は,なんだか分析機器に似ている.生も死も,老いも病も医療というシステムの流れ作業を通り抜けるだけの光景になってしまっている.
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