特別記事
今,問われる看護のアイデンティティ—日本看護診断研究会設立総会に出席して
日下 隼人
1
1武蔵野赤十字病院小児科
pp.912-915
発行日 1991年10月1日
Published Date 1991/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900482
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大津の街は6月の梅雨時にしては暑かった.私は今まで看護関係の学会には出席したことはない.これまで随分看護の本に文章を書いたけれど,ほとんどの場合,自分に関わること,自分の問題意識だけを書くようにしてきた.それでも「どうして医師が看護の本に書くの.医師の本に書かなければいけないんじゃないの」と言われたことが何度かある.その問いかけはやはり正しい.
看護の世界と初めて出会ったのは『看護教育』という場(雑誌)であった.看護者の関わる“ケア”の世界は,医師の関わる“診療”の世界よりもずっと広く深い.看護教育には病者の心を感じとることの意味を伝えようとする心がある.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.