講座
アメリカ看護協会総会に出席して
宮島 昌子
1
1東大衛生看護学科
pp.47-50
発行日 1961年1月1日
Published Date 1961/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903974
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〈国際意識と自己を知るための知識〉
看護スタッフの皆様,落ち着かない国際情勢の中で外国にいられることを特権と考え,少しでも1対1の友達づくりを通して,お互いに理解し合い偏見や無知をなくそうということに興昧を持つこのごろです。
日本を離れているとなんといっても刺激され啓発されるのは,国際意識と自己を知るための知識です。その国際意識が競争意識ではなくて親善と理解の方向へ育てられていくところに意義があると思います。2月でしたか,フィリッピンの国連代表General Romuloが学校へ見えて講演をされたときに,‘foreigner’という言葉の定義は,まだ会っていなくてこれから会う友達だと言われて印象づけられましたが,本当に,家庭であれ職場であれ,国家間であれ,如何に健全な人間関係を築くことが大切であるかを痛感させられております。また,昔から,他人との接触の中に自己が開拓されると言いますが,と同時に自己を知るための知識というのは,人間が孤独を感ずるときにしばしば開拓されるものだということを感じております。
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