連載 誰も教えてくれない File No.11
マネジメントの取説
見直したい!マネジメントツールの使い方
北浦 暁子
1
1NKN
pp.88-92
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101603
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看護に受け入れられたマネジメントツール
「クリニカルラダー」「目標管理」「人事考課」「看護必要度」「指導マニュアル」「技術確認チェックリスト」「コンピテンシー」……たくさんのマネジメントツールが「質の高い看護を提供するためだから、しっかりと活用するように」という指令とともに、看護現場に降り注いでいます。息つく暇もないはずの看護師たちは「時間がない、人がいない、やる気なんて維持できない」と思いながらも、「マネジメントツールを活用すれば現場はよくなるはず」と信じて、おびただしい数のマニュアルや評価表の活用に莫大な時間を費やし続けています。
バブル崩壊後、あらゆる業界において、業績が低迷した企業は生き残る方法を必死で模索しました。そのなかで大きな注目を集めたのが人事マネジメント領域の取り組みです。業績不振と人件費の負担増加にあえぐ企業は、従来の人事マネジメント手法を見直して成果主義を導入することで、従業員のやる気と組織の活性化を手に入れようとしました。設備投資等の多額の資金を手当てできなくても、人事に関するテコ入れにより業績を改善できるというシナリオを描き行動したわけです。これらの取り組みは、バブル崩壊以降の厳しい財政事情の自治体や非営利組織の運営にも波及し、多くの医療機関も採用することになっていきました。
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