書評
―『はじめての看護理論 第2版』(勝又正直 著)―看護理論は苦手,嫌い,わからない,というあなたへ
広井 良典
1
1千葉大学法経学部
pp.821
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101150
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この本の帯に「からんだ糸がほどけるように看護理論が理解できます」という表現がある.本書の特徴を実に見事に言いあてた言葉であるように思われる.
私は,看護学そのものについては半ば門外漢に近い.しかし,近接領域にかかわるなかで,看護理論が「からんだ糸」のような面を多分にもっていることはつねづね感じてきた.その背景には,看護学が医学や心理学等関連分野のなかでみずからのアイデンティティの確立に苦闘してきた流れや,また,とくに日本の文脈では,(看護学に限らない)“輸入学問”のもつ独特の難解さがあったと思う.
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