連載 悩めることも才能だ!―宮子あずさのお悩み外来⑮
外来に「看護」はあるのでしょうか…….
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.270-271
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100890
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家庭の都合で夜勤ができません.そのため病棟経験がないまま,外来での勤務が長くなっています.患者さんとのかかわりを求めて看護師になりましたが,外来にはそんな余裕がありません.患者さんをできるだけ待たせないように,てきぱきと医師の診療介助をするのがやっと.自分の思い描いていた「看護」とは程遠いのが現状です.
先日も,若くしてがんを再発した女性が,ショックで泣きじゃくっていました.主治医も配慮ない言い方をしたようで,見捨てられたような印象をもったようです.とりあえず空いている部屋に移ってもらい,そばについていてあげたいと思いながらも,他の仕事に追われてできませんでした.気がついたら帰ってしまっていて,それ以来,ずっとそのことが気になっています.忙しかったからつけなかったのは事実ですが,ついていたとして,自分はなんと声をかければよかったのでしょう.病棟で悪性疾患の患者さんとかかわっていないせいもある気がします.果たして外来に看護はあるのか.外来経験だけの私は,看護をしてきたと言えるのか…….自分のキャリアにも,自信をなくしています.(30歳・女性・外来)
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