巻頭カラー連載 看護に役立つ! 人体の神秘の世界へご招待 からだと病気とミクロのはなし⑨
病原微生物と感染症の関係
根本 典子
1
,
久米 光
2
,
安田 寛基
3
1北里大学医学部バイオイメージング研究センター
2北里大学医学部バイオイメージング研究センター病理学
3帝京大学
pp.1080-1081,1117-1121
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100678
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感染症の歴史をひもとく
「感染症」は,今日では耳なれた言葉です.しかし,古代ギリシャやヨーロッパの人々は伝染病や微生物の存在を知らず,神の祟りと考えていました.それから何世紀も過ぎ,14~15世紀のヨーロッパではペストとコレラが大流行し,疫病で多くの人が倒れ,目に見えない生物体が原因ではないかとの推測から,その病因解明が進められました.
同じ頃,目に見えないものを見たいという願望から,レーエン・フックは単レンズ顕微鏡を開発し(1665年),シラミやノミを観察してイギリス科学アカデミーに発表し続けました.その後顕微鏡に改良が加えられ,19世紀には数十μmまでの観察ができるようになったことを契機に,微生物に関する研究が精力的に進められました.
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