特集 乳がん看護はトータルケアへ
患者説明のために覚えておきたい
乳がん病理の基礎知識
矢形 寛
1
1聖路加国際病院外科
pp.1067-1074
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100557
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はじめに
私は病理医ではない.あくまで臨床医であり,常に患者に接し診断・治療に直接かかわっている.ところがこれら診断・治療の要となるのは病理であり,病理を知らずに診療を行なうことは不可能である.なぜその診断となったか,臨床像と矛盾しないのか,どの治療法を選択するのか,いずれも病理診断をもとにして決定される.つまり,病理を勉強することで,これら診断・治療の幅が広がり,問題点の認識が高まり,また患者への説明においても,病気と治療への理解の援助ができるようになる.
残念ながら,看護教育の中で病理学の占める割合はごくわずかであり,少ない授業数の中でこれらを詳細に学ぶことは到底不可能である.そのため,本稿では,大体これだけ知っていれば乳腺疾患について患者に説明できると思われるものについてピックアップし,できるだけ平易な言葉で説明を試みた.
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