特集 ―患者を守る!自分も守る!―感染予防の“2つ”の基本
職務曝露を防止するために見直すべきこと
森下 幸子
1
1医療法人永広会島田病院
pp.857-863
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100521
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はじめに
医療や福祉にかかわる者(以下,ヘルスケア従事者)は,職業上,さまざまな微生物やウイルスに曝露する機会が多い.職務曝露防止対策は,これらの感染から自分自身の身を守ることに加えて,患者へと感染を伝播させ,院内感染へと拡大するリスクを考えても非常に重要である.
職業感染には,主に結核,血液媒介病原体,流行性ウイルス疾患が挙げられるが,いずれに対しても,スタンダードプリコーション(標準予防策)で臨むのが基本である.標準予防策が日本の医療現場にも浸透しつつある昨今だが,その選択を間違っていたり,誤った方法で実施しているのを見かけることも少なくない.
本稿では,とくにヘルスケア従事者自身を感染から守る手段に焦点を絞り,PPE(Personal Protective Equipment)防御用具と「針刺し」防止対策について,その方法を復習する.
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