特集 看護師として働くことをあきらめないために
語って振り返りたい「自分の看護の価値」
望月 とも子
1
1社会福祉法人聖隷福祉事業団総合病院聖隷浜松病院
pp.238-242
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100108
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はじめに
聖隷浜松病院(以下,当院)は,浜松市にある急性期対応の総合病院である.病床数は744床,23科42診療科目,1日外来患者数は約1800名,手術件数は年間8000件,平均在院日数は14.0日前後である.看護部職員数は,助産師・看護師を合わせた651名に看護助手などを加え,合計766名である(2004年11月1日現在).看護師など有資格者の平均在勤年数は7年である.
当院の母体である聖隷福祉事業団は,結核の患者を救うことから事業を始めた.その一環として医療の分野で当院が設立され,43年が経つ.「私たちは利用してくださる方ひとりひとりのために最善を尽くすことに誇りをもつ」を病院理念とし,「患者中心」を医療提供の根本とし,常に独創性と先駆性を高く掲げ,地域の必要性に沿った高度医療の実現に取り組んでいる.
当院看護部の理念は表1のとおりである.
看護部では,1993年3月より「看護を語ろう会」を開催し,10年が経過した.研修とは違い,全てを勤務時間外の私的時間に頼る方法でありながら,毎月1回,10年間の継続を支えたのは何であろうか.この10年間の軌跡から,本稿では,当院における「看護を語ること」の活動が,臨床で看護をすることに満足感を持たせ,それが看護の質を担保する意義との関連について述べたい.
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