連載 DV被害者に看護師ができること・10
連携のための社会資源
友田 尋子
1
1大阪市立大学医学部看護学科
pp.206-209
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100103
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短期的な安全確保と長期的な展望に基づく支援
女性に対する暴力根絶のためには,男女平等社会を実現していくことが重要な解決方法であるが,当面の問題は,現実に被害を受けているDV被害者に対する援助を最優先すること,そしてそのかかわりを具体化していくことである.DVの被害は,身体的な暴力による被害だけではなく多岐に渡っている(第2回参照).そのため,DV被害者への援助の手段・方法も多岐に渡る.
短期的な援助としては,被害者とその家族(子どもが虐待されている,またはDVを目撃している場合は,子どもの安全保護も同時に必要である)の安全確保が挙げられる.たとえば,被害者の一時保護施設や民間シェルターへの避難・入所,警察や救急医療による緊急介入のほか,生活困窮に陥らないための生活援助も必要である.被害者自身が,加害者にコントロールされてきた自分を見つめ直す作業も早急にしなければなるまい.そのための専門家の手助けが必要である.
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