連載 りれー随筆・197
30歳からの挑戦—私が助産婦になった理由
山田 美也子
1
1ホームバースなごみ助産院
pp.276-277
発行日 2001年3月25日
Published Date 2001/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902615
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OL生活11年
ちょうど30歳になろうとする12年前の春,私は看護学校受験のための予備校に願書を出しに行っていた。最終目的は「助産婦」になること。「なんでまた30歳になって助産婦に?」と思われるだろうが,それには深い理由があった。
私は製薬会社の研究室に勤務していたが,勤続11年にもなるとそこそこ仕事もでき,いっぱしの口も利けるようになる。自分の主張も通そうとする。仕事に打ち込むことは面白かった。そんな私を見兼ねたのだろうか,課長が「君は男と同じように仕事をしようと思っているんじゃないだろうね。女には女の生き方というものがあるんじゃないのかね」と。すかさず私は反論し,「どういう意味ですか。私の生き方に干渉しないで下さいよ!」と食って掛かった。今までの女性の部下は何でも「ハイハイ」ということを聞いていたらしく,反撃に出た私に課長は激怒。その日から,彼の私潰しが始まった。
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