特別寄稿
男女が参画できる専門職として助産婦業務を確立しよう—21世紀は男女共生の時代
齋藤 益子
1
1東邦大学医療短期大学専攻科
pp.64-70
発行日 2001年1月25日
Published Date 2001/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902569
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はじめに
近年,あらゆる職種に男女が平等に参画するようになり,看護職でも男性が保健士・看護士として活躍するようになった。しかし,助産婦業務だけは,今日なお男性が選択できない唯一の女性のみの職業として法律が制定されている。助産婦業務は,「助産および妊産褥婦の保健指導をなすことを業とする」と保健婦助産婦看護婦法に規定されているように,妊娠期の診察や分娩介助など女性の性器に関わる場面が多い職業であることから,同性である女性に適しているとされ,男性は立ち入ることができない領域として今日に至っている。
わが国では,助産士の制度化をめぐって,現在,賛否両論が活発に討議されており,昨年の夏から秋にかけていくつかのシンポジウムやフォーラムが開催された。その多くは,男性助産士の制度化に反対する立場で開催されたものであったが,筆者は可能な限りそれらの集会に参加して意見を聞く機会をもった。また,昨年の第41回日本母性衛生学会では,男子学生に助産学教育をした経験を報告する機会を得,また昨年10月には福岡県看護協会の企画する研修会で男性助産士について講演する機会にも恵まれた。
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