連載 とらうべ
パッチアダムスの伝言
高柳 和江
1
1日本医科大学医療管理学
pp.917
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902514
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
私が代表を勤める「癒しの環境研究会」が中心となって招請した,パッチアダムスの来日が実現した.医療に愛とユーモアをとりいれて治していこうとがんばっている米国の同名の映画がロビン・ウイリアムズの主演で上映され,日本人に根強い人気をもたらした実在の人物である.1700の挿話の中からいくつかを選んで脚色したものだから,「あれだけで私を判断しないでくれ」とパッチは私との文通の中で言ってきた.
言ったとおり,本当のパッチは,もっと偉大だった.第一声が,「私は日本人を楽しませるために来たのではない,日本を変えに来たのだ」と言う.空港で初めての質問は,ホテルまでどのくらいかかるのかではなく,「日本の問題はなにか,それを変えるために君は何をしてきたか」である.この質問は会う人毎に聞きまくっていた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.