特集 どう考える.硬膜外麻酔分娩
米国で分娩時に用いられる硬膜外鎮痛法
ジュディス・P・ルークス
1
,
渡辺 邦彦
Judith P. Rooks
1
1米国マタニティ.センター・アソシエーション(MCA)
pp.835-840
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902496
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分娩時にはほとんどの女性がかなりの痛みを体験するが,アメリカ合衆国では大半の女性が薬物による何らかのかたちの鎮痛法を受けることを望みもし,また当然のこととして期待もする。そのような方法として最も効果的なのが,硬膜外鎮痛法である。
「硬膜外鎮痛法」という用語は,脊柱の硬膜外腔に局所麻酔薬やオピオイド(天然または合成の麻薬)を注入することによって得られる鎮痛(痛みの軽減もしくは完全な除去)と麻酔(知覚の完全な脱出)の両方を指して用いられている。薬物はまた,髄腔内にも注入されることがあり,その場合は事実上「脊髄鎮痛法」であるが,ふつう合衆国では,分娩時の処置としてはどちらも「硬膜外鎮痛法」の名でよばれている。麻酔ではなく鎮痛が,分娩時に用いられる硬膜外注射の通常の目的である。
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