連載 助産婦のための疫学入門・5
続・論文の読み方—オッズ比,偽陽性などを理解する
三砂 ちづる
1,2
1国際協力事業団(JICA)ブラジル家族計画母子保健プロジェクト
2ロンドン大学衛生熱帯医学校母子疫学ユニット
pp.432-436
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902410
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専門用語の意味するところ
前回(3月号)に引き続き「学術論文の読み方」を解説します。今回はいわゆる論文に出てくるいくつかの疫学の専門用語を理解する,ということを考えてみます。
『助産婦雑誌』1999年12月号に登場した翻訳論文に今一度こだわってみましょう。せっかく翻訳してありますから,読みやすくなっています。いくつかの論文を深く読みこなすことは,ターミノロジーに慣れ,次からの論文を読みやすくします。疫学には特徴のあるターミノロジーがありますから,基本的なことを理解していれば,難解そうな言葉を見てもぎょっとしないものです。今回は,「助産婦雑誌』1999年12月号に掲載された『The New England Journal of Medicine』の翻訳論文「脳性麻痺はモニタリングで予知することができるだろうか1)」(次ページ資料)をとりあげ,この論文の結果を理解するのに不可欠な“オッズ比”“偽陽性”といった用語の理解を試みましょう。
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