特別記事 母乳トラブルの解決—さまざまな試み
3.乳房うっ積・乳汁うっ滞に対する里芋粉湿布ケア
福井 孝子
1
,
野津 恵美子
1
,
池田 貴美江
1
,
佐々木 真由美
1
,
奥名 晴美
1
1松江市立病院産婦人科病棟
pp.600-602
発行日 1996年7月25日
Published Date 1996/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901515
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はじめに
分娩まもない褥婦にとって産後1週間以内に起こる乳房うっ積・乳汁うっ滞は,大きな苦痛を伴い,以後の母乳育児に大きく影響する。また,長い授乳期間中には,さまざまなトラブルが発生しやすいが,冷罨法が必要なときは古くから自然界のものを用いてケアが行なわれてきた。
しかし,近年自然界のものを用いて冷罨法することに反論する意見もある。確かに,自然素材を用いる療法は,いずれも科学的論拠に不足し,真偽のほどが判定できなかった経緯がある。私たちは以前,自然育児相談所の山西みな子先生の講演で里芋粉湿布の効果を聞き,現在さまざまな乳房トラブルに活用している。実際,熱感がとれ痛みが少なくなったと褥婦には好評である。
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