特別寄稿
第4回北京女性会議レポート—女性たちのエンパワーメント:政府間会議とNGOフォーラム
中山 まき子
1
1鳴門教育大学
pp.1014-1018
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901377
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はじめに
第4回北京女性会議は史上最大規模の国際会議となった。「政府間会議」には189か国の地域から1万7千人が,「NGOフォーラム」には世界各地から約3万人が集い,その集大成として,9月15日に「行動綱領」と「北京宣言」が採択された。冒頭に「行動綱領は女性のエンパワーメントのためのアジェンダ(議題)である」と記されたそれは,「女性問題途上国日本」の政策や現状のはるか先を行く内容でうめ尽くされている。エンパワーメントとは「草の根の女たちが“力をつけて”連帯して行動することによって,自分たちで自分たちの状態や地位を変えていこうとする,極めて行動的で自発的な考え方」(村松1))をいう。「政府間会議」と「NGOフォーラム」は地理的にも,日程的にも驚くほど分断されていたが,世界の,そして日本の女性たちのエンパワーを感じた日々だった。
本稿では,北京女性会議において「政府間会議」と「NGOフォーラム」がどのようにリンクしているのか,そのシステムや役割を中心にレポートし,NGOが政府間会議の意志決定に参画する過程をたどってみたい。また多くの議論を巻き起こした「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)」の問題について若干報告をしたいと思う。
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