特集 性科学の水準—第12回世界性科学学会の業績から
第12回世界性科学学会に参加して
地球規模で考える
高倉 のり子
pp.1009-1011
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901375
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はじめに
日本を離れ10年目になる。あらゆる生物がその置かれた環境に適応してゆくように,私もその間日本と日本人を内から外から何度も見直し,日本の外の人々と意見を交わすことで,内なる“違い”を理解し日に日に環境にとけこんできている。そんな私に今回の学会参加についての感想をとの依頼。突然ではあったものの私でよければと快くお引き受けしたしだいである。
そもそも今学会参加の背景には,いま私が在住しているスイス(世界各国からの外国人居住者が人口の約1/3を占める)ではエイズが大きな社会問題のひとつになり,対策も複雑な国際的見解のもと,民主的かつ草の根的に取り組まれていて,そのような環境にいて自然と問題意識が高められていたということがあった。
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