連載 おニューな地球人・31
生まれ出る時の赤ちゃんの感覚
きくち さかえ
pp.836
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901124
- 有料閲覧
- 文献概要
暗い子宮の中で,平和にとても心地よく暮らしていた赤ちゃんは,ある日突然まわりの壁がズンズン自分を締めつけ出すのに,気づくのだろう。その締めつけは,波のようにやってきては次策に消えていく。波が去ると,静粛がまた戻り,赤ちゃんはホッとする。
しかし,その波は頻繁に,しかもだんだんと強く激しくなってくる。赤ちゃんはからだを押されて,とっさに足で壁を蹴ろうとする。頭は強く締めつけられ,子宮の出口にぶつかっている。「出なくちゃ」と感じた赤ちゃんは,もがき苦しみながら足をばたつかせる。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.