特集 赤ちゃんの死のケア
胎児・新生児を失った両親へのケアの実際
押谷 文子
1
,
山本 晴子
2
1大阪府立母子保健総合医療センター母性西棟
2大阪府立母子保健総合医療センター母性東棟
pp.822-828
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901112
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はじめに
大阪府立母子保健総合医療センター(以下当センター)は,紹介外来型病院で大阪府下の周産期医療の基幹施設である。地域の医療機関では対応が困難な妊産褥婦や未熟児・新生児に対する医療を,産科,母性内科,新生児科,小児医療部門全科が連携して,周産期センターとして一貫した継続的な医療を提供している。看護部門は,母性外来,母性棟,分娩部がケースワーカーや地域保健室と協力して,24時間均一なケアを行なっている。
1992年の当センターにおける分娩は1709件で,新生児死亡は18件(1.1%)であった。死産は妊娠12週以降が54件(3.2%),うち20週以降は31件(1.8%)である。これは1991年の全国値の妊娠12週以降が4%で,20週以降が1.3%であるのとほぼ同値である。IUFD(子宮内胎児死亡)は23件で死産の42.6%を占め,胎児水腫5件,染色体異常,羊水過多は各2件であった。
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