特集 病院における完全母子同室
完全母子同室は母と子の絆の第1歩—聖マリア病院産科のとりくみ
下川 さえ子
1
,
大町 福美
1
1聖マリア病院産科病棟
pp.953-958
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900925
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はじめに
妊娠,分娩,産褥の過程は,1人の女性が母親になっていく原点です。分娩後早期に母子を接触させることは,その後の母乳分泌や母子相互作用の面で,大変大きな役割を果たすといわれています。
当聖マリア病院産科では年間800件の分娩があり,開設以来母子異室制でした。そのため,特に初産の場合などでは児に慣れないままに退院することが多く,また3時間ごとの授乳という決められた時間での授乳のため,母親と赤ちゃんの授乳のサイクルが合わず母乳確立の面でも問題がありました。しかし,それでも1973年以来新生児の退院時母乳率は92〜98%を維持してきました。
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