特集 今,産む人の感覚
30人のお母さんに聞きました
徳永 瑞子
pp.39-45
発行日 1993年1月25日
Published Date 1993/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900726
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はじめに
私は助産婦として,近年の産科医学が人間の生理的営みである出産を「疾患」として扱うことに危惧を感じずにいられない。世界的には自然出産を望む女性たちの声が大きくなり,助産婦として喜んでいるのだが,日本の妊婦の実態はそうした意識が低いように思われてならない。
それに対して私は,国民性だから仕方がない,どうしようもないと,いわばあきらめの中で助産婦を続けてきたような感じがする。だが,産む人が目覚め,主体的なお産ができるようにならない限り,お産はますます自然な方法から遠いものになってゆくと思い,産む人の意識の低さはしょうがないでは済まされないことを強く感じるようにもなっている。
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