特別寄稿
子宮内膜症の最新知見
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科学
pp.40-45
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900488
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子宮内膜症とは
子宮内膜症Endometriosisとは,子宮内膜に類似した内膜様組織が子宮体部の内膜層以外の部位に異所性に存在し,卵巣から分泌される周期性ホルモン変動に反応して増殖,発育する病態を指す。子宮内膜症は発生の部位から子宮筋層内の内性子宮内膜症(子宮腺筋症Adenomyosis)と,骨盤腹膜や卵巣などに存在する外性子宮内膜症に分類される1)。
近年その発生頻度が増加傾向にあり,本症は「20世紀の疾患」と呼ばれている。一般の女性における発生頻度は4〜17%程度であるが,不妊女性では15〜25%と増加し,原因不明不妊女性に限ると70〜80%の高率に子宮内膜症が発見される。発生年齢は20〜50歳の性成熟期に多く分布しているが,とくに35歳以後に増加し,40〜50歳にもっとも発生しやすい。
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