特集 妊婦のマイナートラブル
妊婦の便秘
坂元 一久
1
1越谷市立病院消化器科
pp.122-125
発行日 1989年2月25日
Published Date 1989/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207560
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はじめに
著者は越谷市立病院において,昭和58年より便秘外来を開設して,便秘の診断・治療にあたってきた。開設の根拠となったのは,主に以下の二つの理由からである。
第一には,大腸疾患,特に大腸癌の近年の増加である。癌死亡率の中での大腸癌の割合は,昭和25年と比較すると約2倍となっている。この大腸癌の主症状に便秘があり,また,便秘しているために腸内細菌叢の変化が起こり,胆汁酸類似の3-メチル・エチルアンツーランといった発癌物質などができやすくなる。また,その体内での腸管内壁との接触時間も長くなるので癌化の危険性が高まることである。
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