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第19回日本看護学会—母性看護—山形市で開催—不発に終ってしまったシンポジウム「母性看護に求められる倫理的問題を考える」/第29回日本母性衛生学会 大阪市で開催さる
本誌
pp.936
発行日 1988年11月25日
Published Date 1988/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207513
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第19回日本看護学会・母性看護(分科会長今野アキ子氏)が,秋の気配の漂い始めた9月14・l5日,山形市民会館で開催された。日本看護学会の特長の一つは,助産婦・看護婦・保健婦が一堂に集い,看護の視点から直接討論し合えることにあり,全国からのL300人の参加者は,それぞれが熱心に議論と思考に集中した。
演題は全部で54題だったが,地元の新聞をはじめとして,なんといっても耳目を集めたのはシンポジウム「母性看護に求められる倫理的問題を考える」だ。さまざまな分野において"生命倫理"に対する課題が担われ,それなりに論議を交わし始めている昨今であるが,看護の分野においては初めてまっ正面から取りくむテーマである。看護職こそ「倫理」を最も敏感に受けとめざるをえない職業人であり,シソポジウムは大きな関心を呼んでいたのだが,はっきり言って不発に終わってしまったようだ。臨床に働く看護職も,教育者も倫理的ジレンマを持たざるをえない状況にあって,なぜつっこんだ話し合いができなかったのだろうか。フロアからの発言も技術論が多かった。せめて「倫理」とはなにかの,とっかかりだけでもつかんでほしかったと思う。
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