母乳育児Q&A
Q [最終回]助産婦の特性を生かした全人的ケアを
根津 八紘
1
1諏訪マタニティークリニック
pp.843
発行日 1988年10月25日
Published Date 1988/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207487
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A 指導とか教育というものは,上から下へなされるものではなく,下から上,右から左,左から右への関係の中でなされるもので,人間同士,心が行き交わなければ成果は覚つかないものです。そのためには反応が返ってくる場,指導者も大いに教えられる場を作っていく必要があります。そういう意味から各施設に,医師が診察する場とは異なる,相談室や乳房外来や助産婦外来など,母乳育児をフォローしていく場が要求されてくるのは当然といえます。
妊娠・出産・育児というものは,日常生活の中のごく当たり前の営みなのですが,大きなできごとでもあるわけです。ですが,核家族化が進み,新興住宅街がふえ,縦横の繋がりがなくなってしまった現代においては,ちょっとした問題でも解決の手だてを示してくれるような所がなかなかないのです。その中で,昨今では,妊娠・出産・育児の形を重視してとらえているマスコミ情報の軌道修正をしていく必要性も感じます。そのためには,お母さんたちが,気やすく,そして適切なアドバイスを受けられる場がますます要求されてくると思います。
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