特集 先天異常児を出産した両親への援助
形成外科で扱うことの多い先天性奇形
大原 義雄
1
1兵庫県立こども病院形成外科
pp.208-215
発行日 1986年3月25日
Published Date 1986/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206835
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
形成外科と先天性奇形
現代の若い世代の意識はゆとりの生活を第一に優先しているかのような変化をみせ,子どもの数にも影響があらわれて世はまさに少産少死の時代といわれるようになった。それだけに新たな生命の誕生によせる喜びと期待が,よりいっそう大きいのも今の親心である。
しかし,現実には新生児の何人かは必ず先天性の疾患や奇形を負って生まれるのであって,その「くじ」をひきあてる確率は少ないとはいえ万人平等であることを人々は忘れやすい。医療にかかわる者も先天性奇形はわが身わが子にも起こり得ることを,心の原点に据えておくべきであろう。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.