特集 産科手術の新しい流れと看護
最近における産科手術適応変遷の背景と助産婦への期待
小林 博
1
1社会保険中央総合病院産婦人科
pp.664-671
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206699
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はじめに
古典的産科学においては,母児が危険に陥った場合,児を犠牲にして母体を救う方法を採用した。しかし,近年の産科学ならびに関連領域の進歩・発展により,かつては危険な手術とされた帝王切開術が安全な手術となり,帝王切開術や鉗子遂娩術などに対する,より一層厳密な適応を可能にしつつあるとともに,児の予後に対する配慮から,救急的な適応よりも,より予防的な意味の産科手術というものが積極的にとられつつある。
このように,産科手術の要約や適応も時代の推移とともに拡大されたもの(たとえば帝王切開術)や,縮少されたもの(鉗子遂娩術など),あるいはほとんど使われなくなったもの(たとえば切胎術など)もある。
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